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機械練り石鹸とは?枠練り石鹸との違いや特徴を解説!
洗顔石鹸を探してネットを見ていると、「機械練り」「枠練り」という言葉を見かけたことがありませんか?
枠練り石鹸は高級石鹸に多く、顔を洗うなら機械練りは止めたほうが良いと書いてあるサイトもあります。
ですが、いまいち「機械練り」「枠練り」の違いが分からないという方も多いハズ!
そこで今回は純石鹸などに用いられる【機械練り製法】について詳しく解説していきます。
機械練り石鹸とは
機械練り石鹸とは、読んで字のごとく全行程を機械で作る石鹸を指します。
工場で大量に安定した商品が作れるため、ドラッグストアなどで気軽に手に入れられる価格帯が多いです。
純石鹸や台所石鹸などが代表的です。
みなさんも一度は使ったことがあるのではないでしょうか?
それに対して【枠練り製法】は人の手で時間と手間をかけて作られます。
↓枠練り石鹸についてはコチラの記事をご覧ください。
【枠練り石鹸とは?普通の石鹸との違いや美容効果を徹底解説!】
機械練り石鹸の作り方
化学反応を利用して作られた石鹸素地をチップ状にし、急速に乾燥させて水分を飛ばします。
乾燥したチップに香料や保湿成分を混ぜながら機械で一気に練り上げて、キメ細かくなめらかな石鹸を作ります。
その後、棒状に押し出されて均一にカットされ、金型に入れられて整形されます。
機械でしっかり乾燥されるため、水分の含有量が少なく、崩れにくい石鹸ができます。
見た目にもムラがないので、安くて安定した商品を作ることができるんです。
機械練り石鹸の石鹸素地の作り方
石鹸素地とは、天然の油脂と苛性ソーダ・または苛性カリを化学反応させて作るメインの成分です。
天然油脂はメーカーによって動物性油脂か植物性油脂に分かれます。
石鹸の歴史は大昔の人が動物の肉を焼いていて、炭の上に肉の油が落ちたことから始まったと言われています。
この石鹸素地こそが泡立ちの元で、汚れを分解して落とすという役割を果たします。
石鹸素地の作り方には2種類あります。
けん化方
天然油脂と水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を混ぜ合わせて作ります。
苛性ソーダは乾燥していくうちに消えていきます。
けん化方はここから更に【ホットプロセス】と、【コールドプロセス】という行程に分かれます。
・・・加熱して化学反応を早め、石鹸完成までの時間を短縮できる製法。
その中でも「けん化塩析法」は不純物を取り除いて溶けにくい石鹸を作れます。
「釜炊きけん化法」は塩析を行わず不純物が残りますが、けん化塩析法よりも美容効果が高くなります。
・・・化学反応の熱だけで材料を混ぜ合わせ、保湿成分を壊さずに作る製法です。
数ヶ月に渡る時間と手間がかかります。
枠練り石鹸だけに用いられる製法です。
中和法
あらかじめ加熱処理や薬品処理で天然油脂を脂肪酸とグリセリン(天然保湿成分)に分けておきます。
脂肪酸に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を混ぜて作るので、グリセリンは一切含まれません。
あらかじめ分離させておくことで後々不純物を取り除くという行程が省けるので、スピーディーに安価な石鹸を大量に作れるというわけです。
中和法を用いた機械練り石鹸は98%以上が石鹸素地となるので、余計な成分の入っていない「純石鹸」と呼ばれます。
ただし、脂肪酸と苛性ソーダを混ぜる前に添加物を入れれば、成分表記には「石鹸素地」としか書かれません。
これをキャリーオーバー成分と呼びます。
微量ではありますが、まれにキャリーオーバー成分に反応してしまう敏感肌の人もいます。
機械練り石鹸のメリット・デメリット
機械練り石鹸は石鹸素地の作り方によっても特色が変わってきますが、おおまかなメリット・デメリットは以下のようなものです。
機械練り石鹸は石鹸素地がほとんどの成分を占めているので洗浄力が強いのが特徴です。
オススメの肌質はオイリー肌でニキビに悩んでいる方です。
あれこれと余計な成分が入っている石鹸よりも機械練りの石鹸でシンプルに洗うほうがニキビに効果的な場合があります。
また、意外に思われるかもしれませんが敏感肌の人にも機械練り石鹸はオススメです。
敏感肌の人は美容成分などの本来肌に良いはずの成分にも反応してしまうことがあります。
機械練り石鹸の中でも純石鹸は98%以上の成分が石鹸素地なので、肌荒れの原因を極力排除することができます。
まとめ
なんだか機械で作っていると聞くと、洗浄力が強くて肌に悪そうと思われるかもしれませんが、それは間違いです。
同じ機械練り石鹸でも美容成分が入ったものもありますし、枠練り石鹸にはないメリットもあります。
また、高価な枠練り石鹸でも肌に合わない成分が入っている可能性もあります。
大切なのは、自分の目的と肌にあった石鹸を使うことです。
これまで石鹸を選ぶ時に作り方までは気にしていなかったという方も、今回の記事を参考にしてみてくださいね。