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石鹸素地とは?原料は何?
固形石鹸を使っていると、「石鹸素地」という言葉を目にしたことはありませんか?
よく見る言葉ですが、石鹸素地とは一体何でしょうか?
詳しく解説していきます。
目次
石鹸素地とは?石鹸素地の3つの種類
石鹸素地とは、石鹸の原料のことです。
「石けん素地」もしくは「石ケン素地」と書かれている場合もあります。
材料の油脂を水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)か水酸化カリウム(苛性カリ)で科学反応させたものを石鹸素地といいます。
石鹸素地に水を加えることで石けんができあがります。
また、石けん素地を作る際に水酸化ナトリウムと水酸化カリウムのどちらを使うかで種類が少し違ってきます。
石鹸素地
油脂と水酸化ナトリウムを科学反応させて作られた石鹸素地は、そのまま「石鹸素地」と表記されます。
主に固形や粉状の石鹸の原料として使われます。
カリ石鹸素地
原料となる油脂と水酸化カリウムを科学反応させて作られた石鹸素地は「カリ石鹸素地」と表記されます。
水となじみやすい特性があるので、洗顔フォームやボディーソープなど、主に液体タイプの石けんの原料に使われます。
カリ含有石鹸素地
油脂を石鹸にする際に、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムの両方を使って作られた石鹸はカリ含有石鹸素地と表記されます。
石鹸素地より比較的泡立ちやすいと言われています。
石鹸素地の原料は2種類
石鹸素地の原料となる油脂には、大きく分けて2種類あります。
植物から採れる油脂の「植物性油脂」と、動物から採れる油脂の「動物性油脂」です。
石鹸にはヤシ、オリーブ、牛などさまざまなものから採れる油脂が使われていますが、原料によって異なる特性を持っています。
石鹸を作るときは、油脂の特性をうまく活かしながら組み合わせて使われています。
ものによっては、動物性油脂と植物性油脂を組み合わせて使っている石鹸もあります。
植物性油脂
植物性油脂でよく使われているものは、パーム油、パーム核油、オリーブ油、ヤシ油などです。
植物性油脂から作られた石鹸は、比較的洗い上がりがさっぱりします。
匂いはすくないですが、少々乾燥しやすいです。
動物性油脂
動物性油脂は牛脂がよく石鹸の原料として使われています。
動物性油脂からつくられた石鹸は洗顔後も比較的潤いが残ります。
しかし、少し匂いがキツめです。
石鹸素地は危険?
結論から言うと、石けん素地には毒性やアレルギーの危険性はありません。
石鹸素地そのものに危険性はありませんので、安心して使えます。
しかし、石鹸素地は水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使っているため、危険なのではないか?と思う人もいるでしょう。
石鹸を作る際には、どうしても「水酸化ナトリウム」「水酸化カリウム」のいわゆる劇物を使わなくてはいけません。
油脂と混ぜて化学反応を起こすと、これらは脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウムに変化します。
化学反応が終われば、安全なものになりますのでご安心ください。
更に、石鹸は通常「熟成」という工程を経ています。
作りたての石鹸はアルカリ性が強いですが、石鹸を置いておき「熟成」させることでアルカリ性が弱まり、安全に石鹸を使うことができます。
石鹸素地も界面活性剤?
最近では「界面活性剤は悪いもの」というイメージが定着しており、界面活性剤不使用!という売り込みの石鹸も増えています。
しかし、界面活性剤がお肌に悪いというわけではないのです。
石鹸の原料となる石けん素地も実は界面活性剤の一種です。
界面活性剤についてはこちらで詳しく解説しています。
【石鹸で洗顔するのはキケン!?】合成界面活性剤とは?界面活性剤との違い
では、なぜ界面活性剤は悪いもの、というイメージがあるのでしょうか?
一般的にお肌に悪いと言われているのは「合成界面活性剤」です。
合成界面活性剤は石油系の原料が使われていることもあり、お肌に悪いと言われています。
石油系の原料からなる合成界面活性剤は洗浄力が高く、お肌のバリアを傷つけやすいのです。
しかし、使用感を高める等のメリットも多いため、現在洗顔料には合成界面活性剤が多く使われています。
合成界面活性剤は約3000種類ほどもあり、表記も多岐に渡りますので、成分表示を見ただけでは判断し辛いのが事実。
お肌が弱く、不安な方は固形の無添加石鹸を使うのがおすすめです。
まとめ
石鹸素地は、石鹸の原料になる成分です。
石鹸を作る上で欠かせないものであり、危険性はありません。
石鹸素地の原料に何を使っているかで、できあがった石鹸の特性が違ってきます。
成分表示を見たときに新たな発見があるかもしれませんね!
石鹸を購入する際に、石鹸素地の材料も見てみてはいかがでしょうか?